船津洋『たった「18単語」!読むだけで「英会話脳」になる本』(2011)、『たった「80単語」!読むだけで「英語脳」になる本』(2010)知的生き方文庫
2冊セットでお勧め
他人に本を勧めてて、この二冊の本のセットほど他の人の食いつきと言うか、反応がいいことは他にないと言って良いくらいです。自分は以前はこの本を良く持ち歩いていたので、英語のセミナーとか聞きに行った後のイベントなどで話をしてるときに「こんな本があるよ」って見せると、「こういう本が欲しかった」とまで言ってる人がいました。
やはり非ネイティブにとっては「簡単な言葉」と言われるものをネイティブスピーカーほど自在に使いこなせていないので、相手が親切のつもりで初歩的な単語で話してくれるほど混乱するという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?自分自身、頼むから専門用語で書いてくれと言いたかったことが何度もありましたが、良く使うやさしい単語ほど奥深いので、それを体得すればこれほど心強いものはないでしょう。
言葉の本質的な意味
どちらの本も単語の本質的な意味をイメージで理解することが重要とされていて、イラストとともにイメージを伝えています。語句で覚えてしまうよりも、イメージで理解している方がいざというときに応用が効くというのもありますので、少ない単語でも上手に使って多くのことが表現できるというのを狙っているのでしょう。
つまり、言いたいことのイメージがこんな感じだからこの英単語使っておけばいいという風になれば、日本語と英語の間で対応する単語の組合せを大量に覚えるということなく、英語が話せるし書けるようになるということです。
どうしても最も適切だと思う単語を辞書から探したいタイプの人には合わないかもしれませんが、会話中に辞書を引き始めるわけにもいきませんし、知っている単語でその場をつなぐというのは、非ネイティブが英語を習得する上で通らないといけない道だと思いますし、この本はその助けになってくれると思います。
本当に簡単な単語なの?
「80単語」の方だと多すぎるので、「18単語」の方だけどういう単語が解説されているのか紹介いたします。
- get
- have
- give
- take
- come
- go
- up
- down
- to
- for
- in
- out
- on
- off
- at
- of
- over
- under
どうでしょうか?見事に皆さんが知ってる中学英語レベルに収まってるではないでしょうか?少ないし、このくらいの単語で結構英語が話せるようになると言われたら、ちょっと頑張ってみようという気もおきますよね?
「80単語」の方も平易だけど奥深い単語がそろってます。
英語のプロになるのかどうか
プロの英語通訳、プロの翻訳家、英語の教師・講師などを目指す人はそもそも心構えが違うと思いますが、世の中の多くの日本人にとって英語とは仕事の中心部分ではなく、本来業務をする上で周囲にある課題の一つであったり、プライベートで使えると便利だとか、そういう存在であって、英語が人生の中で重要な部分を締めている人というのは少ないのではないでしょうか?
私自身、英語なんか必要なければ、どれだけ自分の人生が有意義に使えただろうと昔から考えていますし、英語を勉強しなくても困らないのなら、もっと他のことに時間を使いたいというのが正直な気持ちです。英語のプロになろうという人以外は、趣味で英語好きという人でない限りは、英語に多くの時間をかけたいとは思っていないでしょう。
そうすると、少ない単語を上手に使いこなすという考え方は非常に魅力的な提案です。
効率を考えて
ペーパーテストの点が低い割に英会話が割とできる人って、割切りや思い切りが良いんだと思います。いつか単語もたくさん覚えて、慣用句やスラング、珍しい言い回しなども覚え、正しい文法でスラスラと詰まらずに英語が話せるようになってから、それから海外旅行に行って英会話を楽しもうという人はどれくらいいるでしょう?実は、日本人にはこれに近い考え方をしている人が結構多いのではないかと疑っています。恥をかきたくないんです。だから、完璧な英語ができてから本番を迎えたいのでしょう。
でも、それは非効率だと思います。早く本物の英会話に飛び込んだ方が、それだけ長く楽しむ時間ができますし、おそらく失敗しながら、恥をかきながらの方が学ぶのにも効率が良いと思います。しかし、会話が成立しないようでは困ります。そこで再び効率の話ですが、この本が最低限の英会話が出来るようになるために、効率の良いサポートをしてくれるでしょう。