石井裕之『フェイク・イット』(2010)フォレスト出版
“Fake it until you make it!”という言葉を聞いたことはありませんか?これだけで、だいたい察しのついた方もいるかも知れませんが、この本は英語でアファメーションをすることを勧めてる本です。
アファメーション
アファメーションをご存知の方は多いと思います。肯定的な言葉を声に出して言うことで自分自身の潜在意識に働きかけ、実現していくことを狙ったものです。この本のタイトルにも使われてますし、上にも書いた”Fake it until you make it!”こそがアファメーションの極意だと作者の石井先生は書かれているのですが、実現するまでは演じ続けるけれども、それをいつか現実にするんだという意味が込められているのだと思います。
単純に願望を言えばいいというものではなく、潜在意識に正しく伝わるような形の文章にしないと、逆効果にすらなりかねません。表面に出ている我々の意識が思うのとは、潜在意識は違う文法で理解をするようです。
しかし、今ではたくさんの本も出版されているので、お手本になるアファメーションの文例も豊富にありますし、それをどのようにカスタマイズすればいいのかも解説している本はあります。
この本の面白いところは、敢えて日本人が『英語』でアファメーションをしようということです。
日本語でなく英語の利点
詳しくは本を見て頂きたいのですが、いくつかある理由のうち、自分が感心したというか納得したのは
- 英語だと”I”を主語にしても自然だけど、日本語では一人称をいちいち言うとしらじらしい
- 日本語だと一つの言葉の様々な使い方、細かなニュアンスなどが気にかかるけど、英単語は普通の日本人はそこまで詳しく知らないので、狙った通りの意味以外の解釈をする心配がない
- アファメーションの文章の作り方が悪かった場合、どうせ日本語ほど深く理解できていないので、ダメージを受けたとしても少ないダメージしかない
などです。他にも書かれていますが、英語が苦手なくらいがむしろ丁度いいという感じの書かれ方ですから、あなたが英語が苦手だったとしても、安心してこの本のアファメーションを試せます。
文例が豊富
実用的なアファメーションの文例が沢山ありますので、そのまま使ってもいいですし、少しだけ変えて使っても構いません。リズムを付け、感情を込めてノリノリで言えるように発音のコツも書かれていますが、その部分はカタカナで説明しているので、英語が得意な人にとっては、そこだけは物足りなく感じるかもしれません。
個人的には、感情を込めて英語を声に出すということは、それ自体英語の勉強にもなるし、とても面白いと感じました。